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『准看護師から正看護師管理職へ、管理職からみた子育て世代看護師の働き方の難しさ』

更新日:2023年10月18日


准看護師から正看護師へ 花木織江
看護師長 花木織枝

准看護師から正看護師そして管理職になるまで

私が医療従事者となって 30 年程経ちました。

高校卒業後、准看護婦免許を取得し、その年と次年度に娘を出産しました。幸い実母と同居だったので、夜勤もしながら常勤で働き続けました。当時は180床程の老年看護の病院でした。その後は好奇心旺盛な性格であった為、1年から4年のスパンで産婦人科、特別養護老人ホーム、小児科外来、総合病院、精神科病院、さらにバイトで、デイケア、訪問入浴を転々とし、今の病院が10年と 1 番長い勤務先となりました。

 正看護師免許は准看護婦として10年働いた後、次女が小学校入学をきっかけに「人生で1度だけチャレンジしてみよう!」と思い正看護師の学校を受験しました。無事に入学し、小学校の役員をこなしながら、実習を乗り越え国試に合格した時は、同期生と跳び跳ねて喜んだのを覚えています。

 時代の流れと共に正看護師は当たり前になり、認定看護師、専門看護師、特定行為研修終了看護師等、様々な形の専門領域での看護師が育成される様になり、その中で特定行為に興味を持った為、今年の秋に1年半かけて、3区分7 行為の特定行為を取得する事が出来ました。現在の勤務先では、3年前に一般病棟の看護師長が退職された事に伴い、私が看護主任へと就任し、1年前に現病棟の師長職を担う事となりました。

医療業界の現状

近年、看護師業界は男性看護師も活躍する様になり、私が看護学校に通っていた時代とは違い、男性看護師が職場にいる事は珍しく無くなりました。世間では男性の育児参加が求められ、育児休暇取得も徐々に増えつつあります。一般企業や IT 業界では実際に男性の育休を認めており、休み中の仕事やプロジェクト等は引き継ぎを受けたスタッフが、代わりに行うシステム作りがされているようです。

 では、私たちの医療業界の現状はどうでしょうか。

私は現在、入院ベット数100床の中規模病院で勤務しています。一般病棟が40床、療養病棟が60床。外科、内科、整形ですが人工透析ベットも55床あり、主に透析患者さんをメインとする病院です。2年前よりバスキュラーアクセスセンターを立ち上げ、年間のシャント手術は 600 例程です。外来は OPE 室や訪問看護を兼任しています。透析室は午前午後に加え週に3回は、ナイト透析で夜の22時まで透析業務があります。一般病棟は毎日のように入退院業務、通常業務OPE 出し等があり、定時に帰れたのは年に何回あっただろう?と思い返します。私が看護師長を務める療養病棟も満床に近いと、60 名近くの患者さんの一般業務、入浴業務等があります。

看護師長 花木織江さん
看護師長 花木織枝

この様に、各部署とも毎日大変な仕事量をこなさなくてはならないのですが、当院も世間と同じく慢性的な医療従事者不足に悩まされています。

ママナースの働く現場

 そんな中、子育て中の看護師が子供さんの体調不良等で仕事を休むのは、圧倒的にママナースの方です。看護師を含む男性スタッフはいるものの実際にお休みを取ったり、勤務の途中保育園からのお迎え電話で早退するのは女性看護師です。管理者の立場から見ると、ただでさえ忙しい状況で、スタッフの欠員は困るし、夜勤を休まれた時には、勤務変更を考えるのに本当に悩まされます。そんな考えは「女性の社会貢献の妨げになる」「働き方改革に逆行している」と分かっているのですが、日常的に忙しさに追われていると、どうしてもそんな思いが湧いてしまうのです。

 ママナース本人も、休んだり早退する時には申し訳なさそうにしているし、夜勤の度に泣いて寂しがる子供さんの姿に耐えられず、退職を申し出るスタッフもいます。

しかし、看護師(特に女性)がもっと自由な時間と場所で働く事が出来れば、出産や育児が理由で仕事を諦めなくても良くなるのではないでしょうか?

子供が保育園に行っている間だけ、この日なら見ていてくれる人がいるけど、夜なら旦那さんがいるから etc..そんな事が出来ればブランクが生じる事もなく、仕事を続ける事が可能になるはずです。

看護師にとってブランクは仕事復帰の際に足がすくんでしまう要因にもなります。働き方の多様性が広がればその問題も解決できますし、病棟も看護師の急な欠員に対し、臨時の応援要員として来てもらえれば、業務の滞りを回避できます。

 せっかく好きで選んだ看護師という素敵な仕事を、多くの看護師が継続的に携わって行ける業界になって欲しいと望んでいます。


看護師長

花木 織枝



 

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